、デイトレ~スイングトレード(約2週間の時間軸)を中心に、トレンドフォロワー目線でドル円相場の環境認識とトレード戦略をまとめます。相場がやや不安定な局面に差しかかっている今、テクニカル・ファンダメンタル両面の情報を押さえて慎重に立ち回ることが重要です。最新のニュースを踏まえ、エントリーシナリオのポイントを整理していきましょう。
Contents
現在のドル円相場:全体像の把握
まずは、大きな時間足から小さな時間足へと順を追って環境認識を行います。
- 週足:長期的にはロング(上昇)トレンドの流れが続いています。しかし20週移動平均線(MA)との乖離が大きくなりつつあり、上値の重さが感じられる局面です。
- 日足:細かい波形を見るとロング基調を維持していますが、157円付近で位置する20日MAに上値を抑えられている点が要注意。ここを明確に上抜けられないと、上昇の勢いが弱まる可能性があります。
- 4時間足:155円付近のダブルボトム形成が示唆される一方、156.5~157円あたりでダブルトップをつくるリスクも存在。現在はレンジ的な動きとなっており、方向性を判断しづらい状況です。
- 1時間足:短期では20MAがゴールデンクロスするなど上昇を示唆しますが、すでに157円のレジスタンスに跳ね返されているため、押し目を形成する可能性が高いです。
全体的に「157円」というラインが強く意識されており、ここをしっかり突破できるかどうかが短期~中期の相場を大きく左右しそうです。
最新ニュースとファンダメンタル材料
次に、トレンドフォロワーの視点で押さえておきたい主要なファンダメンタル材料を整理します。
- 米国の金融政策(FRB)
・2024年12月に0.25%の利下げが実施され、政策金利は4.25~4.50%のレンジへ。
・2025年も引き続き利下げサイクルとみられますが、当初予測よりもペースが鈍化する見通しです。
・利下げペースの減速はドル安を抑制する要因になる半面、インフレ指標や雇用統計次第で急変するリスクもあり。 - 日銀の金融政策
・日銀は23日、24日に金融政策決定会合を予定。長年の超低金利政策から脱却するかどうかが注目されています。
・市場では、金利を0.25%から0.50%に引き上げる可能性が取り沙汰されており、実施されれば円高材料に。
・もし現状維持(据え置き)であっても、会合後の総裁会見などで「先行き利上げ示唆」があれば、円高方向に傾く可能性は依然として高いでしょう。 - トランプ政権の貿易政策
・トランプ大統領は、中国やメキシコ、カナダなど主要貿易相手国に対して追加関税を検討・発動する姿勢を見せています。
・ドル買いにつながる一方、貿易戦争への警戒感からリスクオフの円買いが起きる可能性もあり、相場への影響は「読みづらい」と言えます。 - 大型AI投資計画を巡る不透明感
・トランプ大統領が発表したソフトバンクグループなどによるAIインフラへの巨額投資計画について、イーロン・マスク氏が「実現性」に疑問を示しました。
・こうした政権内の見解の相違や資金面の不透明さがマーケットにも波及し、ドル円の乱高下要因になり得ます。
これらの材料はいずれも中長期的にドル円を左右する可能性があります。トレンドフォロワーとしては、突発的なニュースで相場が急変しても、慌てず冷静にテクニカルで方向性を再確認することが大切です。
主要金融機関のドル円見通し
ここではいくつかの海外金融機関の予想を簡単にご紹介します。
- Rabobank:12か月後に145円まで下落を予想
・日銀が段階的に利上げを進める前提が根拠。 - UOB Group:155.00~156.00円のレンジ推移を想定
・下降モメンタムの鈍化により、大きく崩れずレンジ内を維持すると見られています。 - UOB Group(別レポート):151.80円まで下落の可能性
・週次のIchimokuクラウドやMACDの弱気ダイバージェンスを根拠に、弱気シナリオを想定。
中長期的には「円高方向」への警戒感があることがうかがえます。ただし短期的には、米国の金融政策や貿易関連ニュースによってドルが買われるシナリオも考えられるため、鵜呑みにせず柔軟にトレンドを追う姿勢が求められます。
テクニカル分析:マルチタイムフレームでの注目ポイント
週足~1時間足のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 週足: まだロング優勢だが、20MAとの乖離が目立ち始めており、上値警戒感が漂う。
- 日足: 157円付近にある20MAがレジスタンス化し、そろそろ上昇の勢いが鈍化する可能性。上抜けすると買いが加速する反面、抑えられる場合は反落警戒。
- 4時間足: 155円近辺でダブルボトムを形成か。ただし156.5~157円でダブルトップ形成のリスクもあるため、レンジ状態からのブレイク待ち。
- 1時間足: 短期的にはロング目線になりやすいが、157円付近での反落実績があるため、慎重な押し目買いがポイント。
「157円」というラインがレジスタンスとして強く意識されており、この攻防が続く限り急な上下動が頻発するかもしれません。抜ければ上昇余地が広がり、反落すれば下落余地が広がるというわかりやすい構図と言えます。
具体的なトレードシナリオ
ここからは、トレンドフォロワーの観点で検討しやすい2つのシナリオをご紹介します。
シナリオ1:ロング(押し目買い)

- エントリー条件:
・1時間足や4時間足の20MAが収束し、156.0~156.2円付近のサポートを確認してから。
・ローソク足が陽線で反発し始めたタイミング、または直近高値を再度超えてくるタイミングを待つ。 - 利確目標:
・まずは157円を意識。もしここを抜けるなら、次のレジスタンス候補として158円近辺も見込める。 - 損切りライン:
・155.8円~155.5円など、直近安値を明確に下回ったところ。
・無理なナンピンはせず、損切りを徹底してリスクをコントロール。 - 注意点:
・日銀会合での利上げ発表など急激な円高要因が出ると、一気にロスカットされる恐れがある。
・ロング保有時はニュースチェックを怠らず、対応策を常に考えておく。
シナリオ2:ショート(戻り売り)

- エントリー条件:
・20MAを明確に下抜けし、156円のサポートラインがレジスタンスに転じたタイミング。
・戻り(リトレース)が入って失速したところを狙う方が安全。 - 利確目標:
・155円~154.8円を割り込めば、153.8円、さらには151.95円付近まで下落余地を見込める可能性。 - 損切りライン:
・上方向に再度156.5円や157円を越えてきたらロスカット。
・ショートエントリーはタイミングを誤ると大きな損失になりやすいため、慎重に。 - 注意点:
・日銀会合で「据え置き」という結果になれば、円安方向に一時的に振れるケースもある。
・ショートでポジションを持っている場合、急なドル買い戻しには要注意。
本日のトレードにおける注意事項
- 突発ニュースへの警戒:
・トランプ大統領の追加関税やAI投資計画の進捗など、政治・経済関連ニュースで相場が乱高下する恐れがあります。
・公式発表や会見のタイミング、主要国の経済指標発表時はこまめにポジションを調整。 - 値動きが荒いときは「待つ」も選択肢:
・市場が方向感を失って大きく上下に振れるとき、熟練トレーダー以外は焦って参加する必要はありません。
・エントリーチャンスが来るまではポジションを持たない戦略も有効です。 - 適切なリスク管理:
・レバレッジをかけすぎず、必ず損切りラインを設定しておく。
・自分の資金量や許容リスクにあわせ、ロットサイズをコントロールすることが重要です。
まとめ
ドル円相場は、157円付近に強力なレジスタンスを抱えながらも、上位足では依然として上昇トレンドが残っています。ファンダメンタル面では日銀の利上げ予測やトランプ政権の貿易政策が複雑に絡み合い、相場の不透明感を増幅させている状況です。トレンドフォロワーとしては、以下を意識しましょう。
- 「157円」ブレイクの有無:ここで明暗が分かれる可能性が高く、ロング・ショートどちらのシナリオも慎重に見極める。
- 日銀金融政策会合の結果:利上げが実施されれば円高の材料に。声明文や総裁会見のニュアンスにも注意。
- 米国の貿易政策・AI投資計画:ドルを買い支える要因になり得る一方、世界的な貿易戦争懸念が高まるとリスクオフで円が買われる展開も想定し得る。
- 無理をしない:相場が読みにくいと感じるのであれば、待機(ノーポジ)も有効な戦略。
最終的な投資判断は常にご自身の責任で行い、トレード計画を立てる際は十分なリスク管理を行うようにしましょう。特に今週は重要なイベントが複数控えているため、相場の急変に備えたポジション調整、損切りラインの設定が不可欠です。良いトレードを!
免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引にはレバレッジを利用した大きな利益機会がある一方で、そのリスクも大きい点に留意してください。最終的な投資判断は、ご自身の状況や相場分析に基づいて行っていただきますようお願いいたします。
以上が、今日のドル円相場の環境認識とトレード戦略となります。皆様のトレードの一助となれば幸いです。