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【2025年1月16日 ドル円相場】CPIを受けた円高へのシナリオと本日のFXトレード戦略

2025年1月16日のドル円相場を徹底分析します。昨日発表された米CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、インフレ鈍化による早期利下げ観測が再浮上。その結果、ドル売り・円買いが急進し、ドル円は一時155円台に突っ込む展開となりました。私はトレンドフォロワーとして、デイトレ〜スイングトレード(約2週間)の時間軸を中心に相場を追いかけています。今回は、この視点から環境認識とトレード戦略をまとめましたので、ぜひご参考にしてください。

本日の相場概況

米CPIショック: 12月の米CPIはコア指数が予想を下回り、FRBが3月にも利下げへ動くのではないかとの思惑が強まっています。これにより、ドルの魅力が低下し、一気に円高・ドル安が進んだ格好です。
テクニカル面: 158円の壁を突破できず、調整局面入りが濃厚。156円台を下抜けたことで売り圧力が強まり、155円付近まで下落しました。
市場心理: 「158円突破失敗」+「利下げ観測」で売り優勢。今後の日米金利差縮小が意識され、ドル円は戻り売りが中心となりそうです。
要人発言リスク: 日銀要人の突発的な発言や、米国債利回りの動向によっては相場が急変動する場合もあるので注意が必要です。

マルチタイムフレーム分析

週足:上昇トレンドの調整局面か

長期的流れ: これまで高値・安値を切り上げてきた週足ベースの上昇トレンドが続いていました。
変化の兆し: 今週は陰線が大きめに形成され、上昇モメンタムが鈍化。これまでとは違う調整色が強まっています。
サポート&レジスタンス: 155円台前半がサポート候補、158円付近が引き続き強いレジスタンス。
週足レベルで見ると、まだ本格的なトレンド転換と断定するには早いですが、調整局面入りの可能性が高い点に留意しましょう。

日足:トレンド転換の重要な分岐点

直近高値: 158円を3度試して突破に失敗。心理的節目として機能し、反落を誘発。
移動平均線: 20日移動平均線が下向きに転じて価格が割り込み、売り優勢の流れ。
オシレーター: RSIが過熱圏から一気に中立水準へ急落、さらなる下落余地を示唆。
ボリンジャーバンド: ミドルバンドを下抜け、-2σ方向へ拡張。下ブレ幅に警戒感が高まります。
日足では下落方向がはっきり示唆されており、仮に158円付近を大幅に上抜けしない限り、安易なロングは控えるべき状況です。

4時間足:下落トレンドへの転換確認

重要サポート割れ: 156.967円(4時間足の押し安値)を明確にブレイクし、一時155円台まで下落。
移動平均線: 20MAと50MAが共に下向き。価格はこれらより下で推移し、下降トレンド継続。
MACD: シグナルラインを大きく下抜け、売りシグナルが顕在化。ゼロラインも割っており売り加速の兆し。
出来高: 下落時の出来高が増加し、売りモメンタムが強いことを裏付け。
4時間足では完全に下落トレンド入りです。戻り売りを狙うのが定石と言えるでしょう。

本日のトレード戦略

ショートエントリー戦略(推奨)

理想的なシナリオ:
1. 一度157円近辺への戻りを待つ
2. 20日移動平均線がレジスタンスとして機能するか確認
3. ダブルトップや4時間足での陰線示現など、再度下落への合図を待つ

具体的なエントリー例:
エントリー価格:156.00円の下抜けでショート
損切り:156.20円(約20pips上)
第一目標:155.50円(+50pips)
最終目標:155.00円(+100pips)
損切り幅が20pips、目標幅が50~100pipsとすると、リスクリワード比は1:2.5~1:5ほどを狙えます。

代替アプローチ
・156円を割った後に戻りが入ってからショート
・15分足・1時間足でダブルボトム崩れを確認してエントリー
・RSIやMACDのダイバージェンスが解消されたタイミングを狙う
「戻り売り」視点を徹底し、慎重にポイントを探りましょう。

ロングエントリー戦略(条件付き)

現在の地合いは下落優勢ですが、週足では依然として長期上昇トレンドが崩れきったわけではありません。そのため、条件を厳格に設定し、限定的にロングを検討する余地もあります。
エントリー条件:
1. 20日移動平均線が再び上向きへ転じる
2. 156.50円を明確に上抜け、レジスタンスがサポートへ切り替わる
3. 出来高の伴う上昇=投資家が本格参入する動き
狙いどころ: 158円を再度試す動き。160円手前からは日銀介入警戒ラインとされるため、利確優先。
損切り設定: 20日MA下に置く。損失が小さいうちに撤退できるように。
ポジションサイズ: 通常より少なめ(70~75%)に抑え、リスク管理を徹底。
あくまでも条件付きの逆張り的スタンスとなるため、短期勝負しっかり損切りが鉄則です。

相場環境を踏まえた重要注意事項

ポジションサイズ: 1回のトレードで口座の1%を超えるリスクを負わない
同時保有ポジション: 最大2つまでに制限し、リスクの拡大を防ぐ
経済指標・要人発言の前後: 米CPIなど重要指標の発表前後は荒れやすいので新規エントリーは控えめに
含み益管理: +20~30pipsになったら一部利確、またはトレイリングストップで利益を守る
日銀要人発言リスク: 金融政策関連のサプライズが出ると、一気に反対方向へ動く可能性

関連ニュースと相場への影響

米CPI予想下回る: 前月比0.2%上昇と伸び鈍化。市場は3月利下げを再度意識し、ドル売りが加速。
米国債利回り低下: FRB利下げ観測で米国債利回りが下がり、ドル安圧力が強まっています。
円高進行: 日米金利差縮小の思惑により円が買われやすく、155円割れの動きにも注目。
AI半導体輸出規制: バイデン政権の規制強化で株式市場のリスクオフ要因となる可能性。リスク回避により円高加速の恐れも。
日銀金融政策: 「早期利上げ観測→後退→再浮上」と振れ幅が激しいため、植田総裁や政府要人の発言を見逃せません。

まとめ

今回のドル円相場は、158円突破に失敗し、米CPIの結果がダメ押しとなって急落しています。テクニカルでも4時間足以下で下降トレンドが顕著で、戻り売り(ショート)が最有力戦略と言えるでしょう。
ロングを検討する場合は、相場が再度上昇局面に入る明確な根拠割り切りをもって臨みましょう。
為替相場は常に変動し、ファンダメンタルズ(CPI、FOMC関連)やテクニカル(移動平均線、MACD、RSIなど)、さらには日銀要人発言などで大きく方向が変わりやすいです。
最新ニュースのチェックリスク管理を徹底し、柔軟なトレードを心がけてください。

免責事項

本記事で提供する情報は投資助言ではなく、あくまで筆者の分析・見解に基づくものです。投資は常にリスクを伴い、相場状況は刻々と変化します。最終的な投資判断はご自身の責任で行っていただきますようお願いいたします。損切りラインやポジションサイズなど、十分なリスク管理を前提にトレードを行ってください。