本日(2月19日)の日本株式市場は、日経平均株価が39,164円(前日比105円安)となり、3日ぶりに反落しました。寄り付きは前日比プラス圏でスタートしましたが、米国による輸入自動車25%関税の可能性や日銀の追加利上げ観測などの材料を警戒し、主力株を中心に売りが優勢となりました。ただし、下値では押し目買いが入りやすく、終盤は下げ幅を縮めて取引を終えています。
Contents
今日の日本市場
- 日経平均株価:39,164円(前日比 -105円)
- TOPIX:2,767(前日比 -8.26)
- マザーズ指数:-1.68%
- JASDAQ指数:-1.56%
- 東証プライム市場売買代金:約4兆5866億円
- 値上がり銘柄数:596 / 値下がり銘柄数:994 / 変わらず:50
今日の下げ要因としては、米国の関税政策に加え、日銀の金融政策への思惑などが挙げられます。一方、企業業績が好調な銘柄への買いは続いており、下値も堅く推移しました。
日経平均のチャート

本日も細かな値動きで方向感がなく、3線が密集しているため、エントリーしにくい状態です。個別銘柄でエントリーできるものを探すのが望ましいですが、個人的にはエントリーしたくないチャート状況です。無理にエントリーする必要はなく、動きが明確になってからの方が遅くはないでしょう。こうしただらだらとした相場で資金を溶かす人が後を絶たないため、無理は禁物です。
2.セクター別動向・個別銘柄の値動き
東証33業種別では、海運業(+2.32%)やパルプ・紙(+1.98%)などが上昇しました。原油価格の上昇や中国経済回復期待から運賃市況が安定してきたことが評価材料となっています。一方、医薬品(-0.84%)や精密機器(-1.27%)などは売りが先行し、指数を押し下げました。
- 海運業:+2.32%(運賃市況の改善がプラス材料)
- パルプ・紙:+1.98%(海外需要の回復を期待)
- 医薬品:-0.84%
- 精密機器:-1.27%
個別では以下が目立ちました。
- ユーグレナ(2931):終値511円(+80円、+18.56%)
機能性表示食品の新製品発売を材料視し急騰。 - 日マイクロニクス(6871):終値4,600円(+700円、+17.95%)
前期決算および今期上半期の好調予想が好感され上昇。 - SREホールディングス(2980):終値3,455円(-305円、-8.11%)
売り出し発表を嫌気して急落。
3.今晩の米国市場の注目ポイント
昨日の米国株式市場は、主要3指数が小幅高で取引を終え、ダウ平均は44,556.34ドル、S&P500は6,129.57(過去最高値更新)、ナスダック総合は20,041.26でした。半導体関連やIT株が堅調で、終盤にかけて戻りを試す動きが見られています。
- ダウ平均:44,556.34ドル
- S&P500:6,129.57(最高値更新)
- ナスダック総合:20,041.26
今晩(2月19日)の主な注目イベント
- FOMC議事要旨公表(日本時間28:00)
1月会合での追加利下げ見送りの背景やインフレ動向、関税政策への見解を確認する上で重要。 - 住宅着工件数(22:30)
- 機械受注(8:50)
既に公表済みの数値では前月比-1.2%と市場予想(+0.6%)を下回ったため、製造業の先行きに注目。 - 半導体関連企業の動向
エヌビディア(NVDA)が2月26日に決算発表を控え、事前予想やガイダンスに市場の関心が集まる。
米国ではトランプ大統領の輸入自動車25%関税計画も引き続き警戒材料ですが、主要企業の決算は総じて好調で、S&P500は連日のように高値圏を伺う展開です。FOMC議事要旨で追加利上げを示唆する文言が出た場合、急速な金利上昇への懸念から株価に調整が入る可能性もあります。
現在の米国指標のチャート
ダウ平均

意識される45,000ポイントをブレイクすることなく、昨日は下ひげを伴う終値となりました。平均線の上に位置している印象です。25日移動平均にも支えられ、安値を固めようとする動きが見られますが、心理的節目がすぐ上にあるため、ブレイクは容易ではありません。また、トランプ大統領の就任以降、突発的な政策が次々と発表されている点も市場の警戒感を高めているのでしょう。全体的に方向性の見えにくい展開です。
ナスダック
日足では下ひげを伴いながらも上昇の勢いが感じられますが、依然として上値圏にとどまっています。20170付近をブレイクしていないため、ここを上抜ければ一気に上昇する可能性もあります。昨晩の引け前に価格が上昇している点にも注目が必要です。
S&P500

現在、6129ポイント付近で三角持ち合いの状態ですが、このラインを上抜ければ上昇の勢いが期待されます。しかし、依然としてレンジ相場で、大きなブレイクは見られていません。ローソク足に下ひげが付いていることから、市場は上昇を意識しているものの、明確なトレンドが形成されていないため、エントリーは難しい状況です
4.注目銘柄「太陽HD(4626)」徹底解説
本日の日本株式市場で特に注目を集めたのが太陽HD(4626)です。終値は前日比+270円(+7.05%)の4,100円で取引を終え、出来高は135,200株と通常より増加しました。
4-1.株価・出来高の推移
- 始値:4,015円
- 高値:4,140円
- 安値:3,980円
- 終値:4,100円
- 出来高:135,200株
- 前日比:+270円(+7.05%)
4-2.急騰の背景
- オアシス・マネジメントの大量保有:同ファンドが8.00%の株式保有を公表。
- 保有目的:「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としており、経営戦略や株主還元策に積極的に提言する可能性。
- 業績の上方修正:4-12月期で経常利益が前年同期比28.9%増。通期経常利益予想を217億円(従来211億円)へ上方修正。
このファンドの動向は、企業価値の向上や株主還元の強化につながるとの思惑買いを誘発しており、今日の株価急騰につながったとみられます。
4-3.業績・指標
- 連結経常利益:177億円(前年同期比 +28.9%)
- 通期経常利益予想:217億円(従来211億円 → +6億円上方修正)
- 増益率:25.4%増
- PER:14.4倍
- PBR:1.97倍
- BPS:1,944円
- EPS(予想):266.6円
太陽HDは、プリント基板向けのソルダーレジストで世界シェア70%を誇る化学メーカーです。今後は医薬品・薬剤製造事業にも力を入れ、新たな成長エンジンとして期待されています。株価が直近上昇傾向にあり、アナリストの目標株価平均は4,433円(モルガンS:4,200円、大和:4,600円)とされている点も投資家の注目を集めています。
4-4.今後の注目ポイント
- オアシスの株主提案や経営参加の可能性
- 半導体関連需要の拡大:特に車載向け基板需要は拡大傾向。
- 新薬開発・薬剤製造事業の進捗
これらの材料が追い風となれば、株価の一段高に結び付く可能性があります。
チャート分析

買いが入っている状況ですが、テクニカル的にはまだ少し早いと感じています。あくまでテクニカルで考えるなら、しっかりとゴールデンクロスが発生し、押し目を捉えたところでロングを狙いたいです。
この辺はご自身のトレードスタイルや重点的に見るポイントによって変わってきますが、私の場合は、少なくとも5日移動平均線と25日移動平均線がゴールデンクロスするまで待ちます。正直なところ、このチャートはきれいなテクニカルが機能しているようには見えないので、見送る可能性もあります。きれいなチャートの銘柄は数多くあるので、無理をする必要はありません。
5.まとめと今後のトレード戦略
- 日経平均は39,164円へ3日ぶりに反落。輸入自動車関税への懸念や日銀の金融政策思惑が重しに。
- 米国株は主要3指数が高値圏。S&P500は6,129.57で史上最高値を更新。FOMC議事要旨公表を控えて警戒感もある。
- 太陽HD(4626)は大量保有報告をきっかけに急騰。医薬品事業や半導体関連需要拡大が長期的な成長余地となる可能性。
明日以降の戦略としては、以下を意識するのがおすすめです。
- 輸出関連株:米国の関税政策動向や為替相場の変動を注視。
- 国内金融政策:高田日銀審議委員の講演や追加利上げ観測が出てきた際のボラティリティ拡大に備える。
- 個別銘柄選別:業績上方修正や大口ファンドの保有増加など、ポジティブ材料のある銘柄を優先的にウォッチ。
- 米国市場連動:FOMC議事要旨や主要経済指標(住宅着工件数など)の結果によるNY市場の変動が日本株に波及する可能性が高い。
投資家としては、相場の地合いが明確に転換するシグナルが出るまでは、強弱入り混じる局面が続く可能性があります。過度にリスクを取らず、好決算銘柄や外部要因に左右されにくいテーマ株に分散投資するなど、防御と攻めの両面を意識したポジション管理が重要です。
参考リンク・情報ソース
- https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202502190979
- https://minkabu.jp/news/4153211
- https://finance.yahoo.co.jp
- https://jp.reuters.com
- https://www.nikkei.com
- https://diamond.jp/zai
- https://www.taiyo-hd.co.jp
- https://minkabu.jp/stock/4626
【免責・注意事項】
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を行うものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。市場状況や株価は日々変動しますので、ご自身でも必ず最新情報をご確認ください。外部リンク先の内容については一切保証いたしかねます。
以上が、今日2月19日の日本株式市場の総まとめと注目銘柄「太陽HD(4626)」の詳細になります。今後の米国市場動向や日銀の金融政策関連ニュースとあわせて、しっかりと情報収集を行い、明日のトレード戦略に生かしていただければ幸いです。日本株・株式投資を行う個人投資家同士、共にベストな投資判断を目指していきましょう。
【無料相談受付中!】
トレード戦略や資産運用について、基本的な疑問や不安はありませんか?
当ブログの著者が、最新の市場動向やリスク管理のポイントなどを踏まえた「一般的な情報」を無料でご提供いたします。短いフォーム入力でご相談いただけるので、初めての方でも気軽にご利用いただけます。
ぜひこの機会に無料相談をご活用ください!